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日々の楽しい出来事を忘れぬうちに。夕暮れの茜色の空が大好きです。


by m-bintang
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正倉院展

10月27日(土)から奈良国立博物館で第59回正倉院展が始まっています。
11月12日(月)まで期間中無休で開かれています。
今週からしばらく忙しく今日しか時間がとれそうにないので思い立って
午前中で仕事を終え、午後から出かけてきました。
家から博物館まで車でちょうど1時間で行けました。
奈良って以外に近い。

正倉院展_e0037055_0104592.jpg
駐車場に入るまでに早速鹿と遭遇。
奈良公園の鹿は市内を悠然と歩き、車も鹿が渡り終わるのをじっと待たなくてはなりません。
さながらインドの野良牛のようです。
そういえば長女と一緒に奈良女子大のオープンキャンパスに出かけた折、
キャンパス内を鹿が散歩してるのを見て驚いた覚えがあります。
奈良市民は鹿と共生しているようです。

正倉院は東大寺の大仏殿の裏手(北側)の、東大寺講堂跡の北にあります。
高床の大規模な校倉造(あぜくらづくり)倉庫で、聖武天皇・光明皇后ゆかりの品をはじめとする、天平時代を中心とした多数の美術工芸品を収蔵しています。
普段は非公開の宝物が虫干しのこの季節だけ特別公開されます。
今回は70の展示で、初出展のものが17あります。

正倉院展_e0037055_01176.jpg
私が心惹かれたのは
青斑石硯(せいはんせきのすずり)
宝物の中の唯一の硯です。
中国の隋唐時代に流行した風字硯(ふうじけん)という形(硯が風のの形に似ている)の形態で墨をする磨面・すりめん(陸)と磨った墨を貯める墨池。・ぼくち(海)の間に三日月の隆地があります。
須恵器(すえき)の硯(すずり)を正六角形の青斑石(せいはんせき)の床石(とこいし)に嵌(は)め床脚(しょうきゃく)付きの六角形の木製台に据(す)えた品。
台の芯はホオノキ製で上にシタンを貼り、縁に甃文(いしだたみもん)、矢筈文(やはずもん)、矢羽根文(やばねもん)などを木画(もくが)で飾っています。
木画は緑に染めた角、象牙、シタン、ツゲ、コクタン、錫(すず)など、様々な色の材を組み合わせたモザイク技法です。
うっとりなるよう硯でした。

正倉院展_e0037055_0114033.jpg
金銀平脱皮箱(きんぎんへいだつのかわばこ)
木型に皮を張り、乾燥させたのち型を抜き取り、布をかぶせて漆を塗り固めた箱。
金と銀の薄板で作った文様を漆地にのせ、上から漆を塗り、乾いたら文様の上の漆をはぎ取る「平脱(へいだつ)」という技法で飾ってあります。
ふたの中央に鳳凰、その周りに植物をくわえる2羽の鳥が6組、側面にも植物をくわえた尾長鳥(おながどり)などが表されています。

天平時代の天皇の宝物が今の世にこうやって見れるなんてなんという幸せ。
租庸調の税制で地方から調として収められた麻布やそれを使って作られた衣類も
いくつか展示されていました。

天平の息吹を感じられる午後でした。
by m-bintang | 2007-10-29 23:09