「時分の花」と「真(まこと)の花」
2009年 05月 24日
ここは日本画家、上村 松園、松篁、淳之の3代にわたる作品が展示されてる美術館です。
去年も母と訪れましたが、とても上品な日本画を堪能できる場所です。
母は日本画を描いてるのでとても喜んでくれました。
私も松園さん、松篁さんの絵は上品なので好きです。
母、松園は息子松篁と共に金剛流の謡をならい、その能楽に表現される典雅で品格ある世界を絵画にあらわしています。
松篁が新聞に寄稿した文章の中で
世阿弥の花伝書を引用してて
「時分の花」と「真(まこと)の花」という言葉がとても気に入ったので紹介します。
若いときの表面的な美しさを「時分の花」と呼び、これは若い時だけのもので、歳をとるにつれすぐに消えてしまう花でです。
0代は10代の花が咲き
20代は20代の花が咲き
30代は最後の花が咲きそして散る・・・・。
ここまでは時の勢いで誰もが咲く「時分の花」です。
ここからが新たなる旅立ちです。
もう自然には花が咲かないのですから
老いが始まります・
40才からは時分の花は枯れてるので
自分の花を咲かせて
行かなくてはいけません。
それが出来る人と
醜く老いていくだけの人との境目になります。
今までの時の勢いとは違い
自分の意思や哲学が問われます。
いかに自分で種をまいて
大切に育てて花を咲かすか
そして美しい真の花咲かすか。
これを「まことの花」といいます。
稽古を続け、成長するに従い、往年の名人にも勝つことがあるようにななり
そして長年の厳しい修行の末にようやく咲かせる花が『まことの花』です。
ほんとうの美しさをもつ花だそうです。
年を重ねた方でも美しい(男女問わず)方がいらっしゃいます。
そんな修行を重ねた美しさがあるからなのでしょうね。
見習いたいものです。
足の手術をしてまた一緒に出かけられることができ感謝でした。
来月は京都で落ち合って南座へ「頭痛肩こり樋口一葉」を見に行こうと約束しました。
by m-bintang
| 2009-05-24 23:09