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日々の楽しい出来事を忘れぬうちに。夕暮れの茜色の空が大好きです。


by m-bintang
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源氏物語千年紀

食事を終えて、歩いて京都文化博物館へ向かいました。

何故1000年かというと源氏物語の作者紫式部の書いた紫式部日記の中に
寛弘5年(1008)11月1日に
左衛門の督(さえもんのかみ)に「若紫」に登場する姫君はいらっしゃいますか?と訊かれ
(光源氏もお見えにならないのに、どうして紫の上がここにいらっしゃるでしょう、と聞き流してたゎ)と書かれていることからその年までに「若紫」まではかかれたということでしょう。
ということで1000年紀らしいです。

1000年もの間、印刷技術もなく、読み継がれ語り継がれてきた源氏物語。
千年紀では、各時代の写本、注釈本、ダイジェスト本、や源氏物語絵巻、屏風、
外国訳されたものまでこれでもかというほど大量に展示されていました。
でも多分、ここにあるのは氷山の一角。
散逸してしまった写本が相当数あったはずだと思われます。
手元に残して読みたい、自分のものにしたい、という先人たちの欲望があったからこそ
1000年もの間、人々に愛され続けてきたのでしょうね。

全54帖という気が遠くなるような長編小説にもそれなりの理由があったようです。
一条天皇の中宮・彰子(藤原道長の長女)に女房兼家庭教師として仕えた紫式部は
紫式部日記の中でこう書いています。
中宮彰子の宮中の手土産にする冊子を作っていると記されています。
親王を生んだ彰子ですが、もっと天皇をひきつける努力がいります。
そこで彰子の手元にある面白い物語の内容を知りたくて
足しげく天皇がかよってくるように長々と書かせていたのでしょう。
すでに評判になっていて物語の続きを知りたいと思わせるような短編を長々と書き記したようです。

会場に入ると平日の午後というのに、人でいっぱい。
中年以降の女性が多く、お喋りしながら作品を見てるようです。
しかも判らない文字を読もうとするので渋滞してしまってて、なかなか進みません。
昔の人はなぜあんなに美しい字が書けたのでしょう。
文字にもうっとりなりました。
締めは大和和紀さんの「あさきゆめみし」原画が3点。
若い世代には小説より漫画から知るのが馴染みよいかも?
私も探して読みたいです。
渡辺淳一の「源氏に愛された女たち」という本を読んでいます。
渡辺先生ならではの男目線で源氏と彼に愛された女たちを捉えてて面白いです。


もう少し人が少なければじっくり一点一点楽しめたのでは?
でもこれからまた1000年と愛されつづけるであろう、源氏物語なんだろうなと思いつつ
後にしました。

とても良い、一日でした。
by m-bintang | 2008-05-30 22:48